DMSOとは

 

※過去に書いたDMSOのページはサイトを作った時のものですが、このページは2020年代になり新たに書いたページです

 

ジメチルスルホキシドは樹木のリグニンに由来し、硫酸塩プロセスとも呼ばれるパルプおよび製紙クラフトの副産物です。また、DMS(硫化ジメチル)は海洋植物プ ランクトンから生成され、大気によってDMSOに酸化される地球の硫黄循環の中で自然に発生します。DMSOはそれ自体が強力な溶媒であり血液によって全身を廻り、有機物と無機物の両方を溶かし、皮膚に容易に浸透します。更にはDMSOは水溶性と油溶性分子に結合するという特殊な極性を持っています。水中ではコンフォメーションという現象が起こり、その時にDMSOでどのような作用が起こるかが決まります。分子の配置が可鍛性である場合、DMSOはタンパク質と相互作用する為、タンパク質の中を移動することができます。それがDMSOが容易に皮膚の中に浸透できる理由になっています。そしてこれは、DMSOの鎮痛特性の理由にもなっています。水中のDMSOは神経膜に影響を及ぼし神経膜の感受性を低下させ、痛みの信号を減少させることができます。DMSOを付けた箇所の痛みがひくのはこの為です。

 

これはヤコブ氏の時代よりも新しい2017年、テキサス大学の科学者たちがDMSOの水素結合の研究を行いました。この時の研究からわかったことは、低濃度のDMSOは水と2個の水素結合を形成し、中濃度では1個の水素結合のみを形成するということです。また非常に高い濃度では、水分子を無視し他のDMSO分子と疑集することがわかりました。

 

DMSOに関し興味深い点に、その高い凝固点と融点があります。融点は固体が液状に変化する温度で、凝固点は液体が固体に変化する点です。DMSOは18.6℃ですぐに凍結します。融点は18.4 ℃です。寒い冬の日、家の中でDMSOが固まっている事がよくあります。その場合18.6 ℃を超える場所に置くとすぐに液状に戻ります。水が膨張して容器が破損するような心配は、DMSOではありません。推奨されるのはガラス瓶ですが、PETE(ポリエチレンテレフタレート)でも問題ありません。保存容器がどのプラスチックでできているかが不明な場合、ガラス瓶での保存が推奨されています。

 

DMSOには経皮作用があり、3通りの方法で皮膚内に浸透することができます。1つは、水の分子に取って変わることができるということです。そして2つ目に、皮膚の毛穴に疎水性と親水性の両方の反応を引き起こしてDMSOと混ぜた物質等を皮膚に浸透させることができます。3つ目は、高濃度ではDMSOは細胞膜のセラミドをゲル状から液状にすることができます。その為、DMSOはその他の薬品等を皮膚組織の奥深くまで浸透させることができます。このため高濃度では皮膚が赤く痛くなり、低濃度では皮膚にトラブルは起こらないといった違いが起こります。

 

DMSOは血流にのって様々な薬品等を体中に届けることができ、脳関門まで通過させることができます。DMSOは様々な薬品と使われ、その効果を倍増させることができます。

 

DMSOは医療品や工業用とに加え、お茶やコーヒー、ワインにアスパラガス、アサリにトマト等、私たちが食べたり飲んだりする一般的な食品の多くに自然に含まれています。DMSOの位置づけとしては、薬物(薬品)としてラベル付けされていますが、実際には自然化合物であり植物と食品の両方に含まれています。症状を抑える合成化合物とは異なり、天然物質の大部分は体の自然な治癒メカニズムを刺激して促進します。重要なのは適切な投与量と用途です。反応は人それぞれで個体差が大きいです。今まで不健康でいろいろな重金属を体の中に貯め適度な運動もしていない人は、DMSOを使った時の反応に違いが出ます。ヘルクスハイマ―反応です。症状は様々ですが、最も一般的なのは頭痛、吐き気、倦怠感、腸の変化、皮膚の発信等です。稀にですが、ヒスタミン反応、かゆみや蕁麻疹がみられます。このような激しい反応は、DMSOが体内の他のものと混ざり合ってそれらの化合物が体と反応しているからこそ起こります。

 

DMSOは自然物質治療であり、体が必要とする物質を含んでいるために、合成薬物を使った時のような高レベルな栄養欠乏症を引き起こすことはありません。一般的に治療に使われる薬品よりもDMSOは安心安全であるのに、それが全く普及しないのはDMSOの残念な点ではあります。しかし、製薬会社の利益にならないことを考えれば、当然の結果かもしれません。私達家族は10年以上DMSOを使っていますが、健康上の問題が起こった事は一度もありません。皮膚の同じ個所に塗って赤くなり皮が剥げたことはあります😓

 

気を付けなければならないのが、DMSOの適切な容量での単独の使用は安全ですが、薬物が体内に容易に浸透する特性がある為、処方薬を服用している方の使用は注意する必要があります。処方薬を使用している方は、DMSOの使用はお勧めできません。過去にDMSO関連での死亡例が1件だけあります。1960年代、アイルランドで抗生物質を服用していた女性が抗不安薬を服用しており、DMSOに対してアナフィラキシー反応を起こしましたが、彼女はそれでもDMSOを使い続けました。彼女のヒスタミン反応は、彼女はDMSOとの併用をやめるべきサインでした。一般的にはDMSOと医療品の併用は個人で行う場合は避けた方が良いとされています。もしも医薬品と併用する場合は細心の注意を払う必要があり、利尿薬と一緒に服用することは絶対に避けてください。なぜならDMSOは利尿薬でもあり、二つの利尿薬を一緒に使うのは危険です。DMSOは水に親和性がある為、腎臓機能に関する薬はDMSOとは併用しないでください。

※DMSOは薬剤の効果を倍増させたり、薬の投与量を減らすこともできます。ですがそれは医師の元に置いてです(アメリカ)。

※DMSOは利尿作用があり、水に対する親和性が高いので、利尿剤とは絶対に一緒に服用しないでください。

 

DMSOは抗菌作用がある筋弛緩剤でもあり、免疫系にのって重要な細胞である白血球とマクロファージの生産を増加させます。細胞膜の透過性を高め、毒素の除去を可能にします。他のページにも書きましたが、放射線防護作用があり、X線の変異原性及び致死的な影響を軽減してくれます。コリンエステラーゼ酵素が神経伝達物質であるアセチルコリンを分解するのを阻害します。更にはDMSOは優れた重金属解毒剤でもあり、アルミニウム、水銀、カドミウム、ヒ素、ニッケルと結合して排尿と発汗によりそれらを体内から取り除いてくれます。これは良く知られていますが、DMSOは効果的な鎮痛剤であり、痛みの信号を伝達する神経を遮断してくれます。幹細胞、骨髄細胞、間質性膀胱炎及び癌放射線治療中の損傷からも保護してくれます。これはFDAの承認済みです。細菌の増殖を抑制し、炎症性化学物質に影響を与えることにより、炎症と腫れを軽減してくれます。血液の粘土を下げることのにより損傷部位への血液供給を改善してくれます。上にも書きましたが、脳関門を容易に通過し、いろいろな薬品の効果を高めてくれます。体に悪影響のある薬品も、DMSOと併用されれば少量の使用で済みます。

 

DMSOのグレード

DMSOにはいくつかのグレードがあります。特に医療目的(健康目的)で使う場合、DMSOのグレードには注意する必要があります。DMSOには医療用と工業用の二つのグレードがあり、工業用目的のDMSOはヒトが使用する目的には合っていません。製品の純度がわからない場合は、そのDMSOの使用は避けた方が良いです。ヒトや動物に使えるDMSOは、衣料品グレードまたは純度99.995%のDMSOです。FDAとの問題で、人に使えるグレードであってもその用途は限られ十分に活用されていません。

 

 

抗炎症剤としてもDMSO

DMSOは優れた抗炎症剤であり、サイトカイン、ヒスタミン、ブラジキニン、プロスタグランジン、ロイコトリエン等を除去し、組織の修復を早めてくれます。科学者たちによると、プロスタグランジン経路に対するDMSOの効果ではないかということです。DMSOは動脈を広げ(血管拡張)、動脈の収縮を防ぎ血流を改善します。血液が老廃物を運び損傷を受けた場所に血液をもたらす為と言われています。更にDMSOは血小板の形成に重要なcAMPと呼ばれる分子の生産を増加させます。重要な点は、DMSOは血小板の生成は促しますが凝集の促進はしないという点です。そして血管を収縮させるトロンボキサンと呼ばれる分子生産を減少させる為、血管が拡張して更に多くの血液が流れるようになります。血流が増えると栄養素の供給、老廃物の除去、治癒力が高まります。

 

DMSOは天然の非ステロイド性抗炎症薬です。DMSOはアスピリンよりも更に優れています。DMSOには黄斑変性症等の副作用がなく、長期にわたって使用することで筋骨格系障害にも役立ちます。

 

DMSOはフリーラジカルとして影響を及ぼす可能性のある活性酸素を除去し、癌細胞などを酸化する能力を備えています。DMSOは使用量の割合、吸収する組織のpH、DMSOが作用ぶす物質、個体の健康状態に応じ、マイルドか強力な抗酸化剤あるいは参加促進剤として作用します。

 

 

DMSOと脳関門

1982年のマウスを使って行われた実験で、DMSOは血液脳関門を超えて通常は通過できない物質の通過を可能にすることがわかりました。通常は脳関門に入れない酵素トレーサーで確認されました。このDMSOの特性は、化学療法剤の更なる利用が可能になりますが、実際には一般的には利用されていない状況だそうです。

 

 

放射線損傷からの保護

 

DMSOは放射線による損傷から細胞を保護し、DNA修復を促進します。DMSOはDNAの鎖切断の修復を促進し、放射線による初期損傷を防ぐことがわかっています。グルタチオンのレベルを上昇させることにより予防します。放射線処置を受ける前にDMSOを体に塗ったり服用することはDNA損傷やフリーラジカルの有害な影響を防ぐための懸命な判断です。そして放射線被爆後もDMSOは効果を発揮します。頭部CTやマンもブラフィーのような軽度の被爆の場合、小さじ1杯のDMSOを飲むのはとても有益です。